虫歯予防・小児歯科にチカラを入れている、高知県高知市愛宕町の松木歯科医院
ナイロンなどのフィラメントをあわせて作られた、歯間掃除用の細い糸をデンタルフロスと呼びます。柄付きのものは糸ようじと呼ばれたりもします。1本の糸のように見えますが約270本もの細かい糸をよりあわせて歯と歯の間の汚れをかきだしやすいようにできています。歯ブラシのプラーク除去率は60%前後ぐらいと言われていますが、フロスを使うと90%程度まで除去率を高めることができると言われています。日本ではあまり一般的ではありませんが、アメリカでは『フロスか死か!』(Floss or Die!)と言われるほどポピュラーなものです。フロスを使わないと、プラークがうまく取り除けず、歯槽膿漏になり心臓病、脳卒中、肺炎などになって死んでしまうとまで言われたりするくらいです。90年代の映画「プリティ・ウーマン」、その中で、ジュリア・ロバーツ扮する主人公が食後にフロスを使用するシーンがあり、アメリカではこれほどフロスが普及しているのだと実感させられました。
キシリトールとフッ素の項目を参照
虫歯になりにくいと表示され、特保マークがついているお菓子があります。これは、特定の効能を発揮することが科学的に裏付けられた成分が含まれており、それを厚生労働省が許可した食品につけられています。虫歯になりにくい成分とは、マルチトール、パラチノース、茶ポリフェノール、還元パラチノース、エリスリトール、キシリトール、CPP−ACP、フノラン、リン酸化オリゴ糖カルシウム(POs−Ca)、緑茶フッ素などです。しかし、これらの成分を含んでいても厚生労働省の許可を受けていないものは特定保健用食品を名乗ることはできません。ただ、これらの成分は確かに虫歯になりにくい効果を持っていますが、その食品が、砂糖、水飴、果汁など成分を含んでいればやはりムシ歯になってしまいます。あくまでも、そういった成分が含まれているというだけで、ムシ歯にならないわけではありませんので注意が必要です。
ムシ歯にならないお菓子が実はあります。歯に信頼」マークのお菓子ならムシ歯になりません。日本トゥースフレンドリー協会では, 「食べてから30分以内に歯垢の pH を 5.7 以下に低下させないもの」 つまり食べてもむし歯になる危険ゾーンにならないお菓子を認定し、「歯に信頼」マーク (右図)を与えています。原材料の一部の効果をうたうのではなく, 最終製品として Toothfriendly Sweets International 指定機関での 厳しい試験を通過したお菓子にだけ,このマークがつけられています.
奥歯の溝は虫歯にとてもなりやすい場所です。歯ブラシをいくら頑張っても無理な場合があります。図をご覧下さい。
奥歯の溝は歯ブラシの毛先一本の大きさよりも小さいのです。これでは、いくら歯磨きを頑張っても無理なことが分かります。咬む面のムシ歯予防にはシーラントという方法があります。特殊な樹脂を溝の深い部分に流し込んで固めます。ムシ歯になりやすい深い溝のなかをよくそうじします。シーラントを流し込んでふさいでしまいます。こうすることで汚れが入ってこなくなります。
『シーラント』は歯の溝をきれいに掃除して埋めるだけ!とても簡単! 痛くありません。
みなさん歯磨き粉を選ぶとき、いったい何を目的に選ばれていますか?口臭を防ぐため?歯周病(歯槽膿漏)予防?虫歯にならないようにするためでしょうか?スーパーや薬局に行けば、キシリトール入り、生薬入り、酵素入り、つぶ塩入りなど・・・いろいろな歯磨き粉が販売されています。値段も200円ぐらいから数千円ぐらいまでいろいろです。目的は一体なんでしょうか?ときには、今から大切な人と会うとき、とりあえずエチケットとして口臭を防ぐために歯磨き粉を使うこともあるでしょう。でも毎日磨く歯磨きとしての目的は歯周病(歯槽膿漏)と虫歯の予防ではないでしょうか。歯周病(歯槽膿漏)予防には歯磨きが一番です。
しかし、この場合、歯磨き粉はあまり必要ありません。むしろ、歯と歯茎の境目、歯と歯の間にブラシを当てて機械的にこすって取ることの方が重要です。プラークがとれていなければ、歯磨き粉の成分だけでは歯周病は防げません。では、ムシ歯予防はどうでしょうか。この場合は逆に歯ブラシではあまり効果がありません。ムシ歯ができるところは、歯ブラシの毛先は届かないところだからです。つまり、歯磨き粉に求める一番大事な成分はムシ歯予防効果です。キシリトール入りなどもありますが、今のところ一番確実にムシ歯予防効果が期待できるのはフッ素だけです。つまり、歯磨き粉を選ぶなら、フッ素入りを選らぶのが、賢い選び方と言えます。(もちろん、フッ素が入っている上にキシリトールがあれば別ですが)フッ素入りの歯磨き粉によるムシ歯予防効果は20%と報告されています。
ちなみに、市販の歯磨き粉はフッ素入りと表示があるものの、フッ素の含有量が不明です。販売会社に問い合わせても教えてくれませんでした。歯科医院専用とされている歯科医院で専売されている歯磨き粉でフッ素入りのものはフッ素が900〜1000ppm含まれています。歯科医院で販売されている歯磨き粉にすべてフッ素が入っている訳ではありません。購入の際、成分表示をご確認下さい。MFP (モノフルオロリン酸)、NaF(フッ化ナトリウム)、SnF2(フッ化第一スズ)fluorideのどれかが記載されているものがフッ素入りです。
もちろん松木歯科医院で販売している歯磨き粉はすべてフッ素入りです。ちなみにアメリカでは2000ppmのフッ素入り歯磨き粉が普通のドラッグストアーで販売されています。
これだけ確かな効果のあるフッ素をなるだけ多くの方にフッ素を利用してもらいたいと願っております。皆さんのライフスタイルに合わせて使用しやすいように、いろいろな種類のフッ素洗口剤をご用意しております。
ブッシュ大統領に虫歯があるのはなぜ?
アメリカではフロリデーション(水道水フッ化物濃度の適正化)が開始され60年以上が経ちます。43代大統領であるブッシュ大統領の健康状態についての書類が公開されました。その際、8本の治療済みの歯があることに対し、ジャーナリストから、大統領にそんなにたくさんおむし歯があるのはまずいのではないかというニュアンスの質問がなされました。それに対し、マクラレン報道官は「大統領の世代はフロリデーションがまだ十分に実地されていなかったためである」と答えました。
この出来事が象徴的な点は2つあります。
まず、大統領にむし歯が8本あったことが話題になる点です。それだけアメリカではむし歯が少ないということです。日本では総理大臣や天皇陛下にむし歯が何本あってもまず話題にもならないでしょう。質問するジャーナリストがいても全く馬鹿にされるだけでしょう。
もう一つはむし歯があった理由として、フッ素の利用が普及していなかったから仕方がないと言えるほどフッ素によるむし歯予防は当たり前で、その効果が万人の認める常識となっている点です。
金属アレルギーとは、直接金属によってアレルギーが起きるわけではありません。まず金属から溶け出た金属イオンが直接触れている部分や、あるいは唾液を介して経口的に血液中に溶け込み、体の他の部位へ運ばれます。皮膚や粘膜のタンパク質と金属イオンが結合し、体が本来もっていないタイプのタンパク質に変化します。このタンパク質に対して免疫細胞が過剰に反応するとアレルギーが起こります。
ピアス 皮下組織と直接接触するため金属アレルギーを起こしやすくなります。
お口の中の金属 ムシ歯を治すのに金属の詰め物、被せ物が用いられますが、これが唾液に溶出して発症することがあります。
ネックレスなどの装身具 表皮のみ接するので金属アレルギーは起こしにくいのですが、汗に金属が溶けて発症することがあります。
金属と接触する部分に接触皮膚炎や粘膜炎と言った炎症を生じます。お口の中では舌、クチビル、歯ぐきなどが赤くなったり、ただれたりします。頬粘膜や歯肉などに周囲よりやや盛り上がったレース状や網目状の白斑を生じ、びらんや潰瘍を伴う扁平苔癬(へんぺいたいせん)を生じることもあります。
金属イオンが血流によって全身に運ばれると、全身性皮膚炎や蕁麻疹がおこることもあります。湿疹様のかぶれがみられることや、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう ; 手のひらや足の裏に小さな水ぶくれがたくさんでき、赤くただれるもの)を生じることもあります。
金属アレルギーが疑われる方は、皮膚科でパッチテストを受けて頂きます。その結果、歯科用金属で使用されている金属に陽性があれば、除去し金属でない修復物に置き換えていくようになります。
体内に入り込んだ金属イオンは、最終的には体の新陳代謝によって少しずつ体外に排出されていきます。だいたい6ヶ月程度はかかるといわれています。急激によくなるということではなく、少しずつですが改善していくことが多いようです。