虫歯予防・小児歯科にチカラを入れている、高知県高知市愛宕町の松木歯科医院
歯周病とはいわゆる「歯槽膿漏」と呼ばれているものです。歯槽膿漏とは歯ぐきから膿の出る病気という意味ですが、その他にも様様な症状があることから、最近では「歯周病」と呼ばれるようになっています。
歯周病は感染症であり、生活習慣病です。歯周病は知らないうちに進行し、症状が進むまで自覚しにくい病気です。放っておくと、歯ぐきから膿が出たり、痛んだり、歯がグラグラになって最後には自然に抜けてしまいます。
歯周病の直接の原因はプラーク(歯垢)です。もっと正確に言うとプラークの中にいる細菌が原因なのです。
プラーク(歯垢)は歯の表面にたまった白いネバネバした物のことです。食べカスのように見えますが実際はお口の中にいる細菌がたまってできた巣のようなものです。そして、プラークが固まったものが歯石です!!
お口の中には何百種類もの細菌がいるのですが最近では歯周病を引き起こす何種類かの細菌(アクチノバチラス・アクチノミセテム・コミタンス菌やプロフィロモナス・ジンジバリス菌など)がわかっています。
歯ブラシのしにくい歯と歯茎の間にたまってしまったプラークの中にいる細菌が歯肉の中に入り込もうとすると、体の防御反応が起こり、その結果として歯内に炎症(腫れ)が起こったり、歯槽骨が破壊(溶け出したり)されたりということが起こります。
又、歯周病菌が出す毒素も歯槽骨の破壊を引き起こします。歯肉が腫れたり、歯槽骨が破壊されると、歯と歯茎の間の溝が深くなり、歯周ポケットを作ります。そしてこの溝の深いところにまでプラークが侵入して、歯の表面にたまり歯石になるのです。
ですから歯周病の治療には、
(1)歯石をとることが治療の基本!
(2)歯のブラッシングがとても大切!!
です。
歯周病の治療は、一にも二にも、歯についた歯石を除去することです。歯石というのは表面がザラザラしています。一方、自分の歯は表面がツルツルです。
どちらの方が、汚れがたくさんつくでしょうか?
当たり前ですが、歯石がついている方が、汚れ(細菌)がつきやすくなります。
汚れがつきやすいと、歯周病が進行してしまいます。
一度発症し歯を支えている骨がなくなってしまうと、いくら歯周病の治療をしても元の状態に戻ることはありません。歯周病の治療は進行を食い止めることが全てです。
そのためには、この汚れをつきやすくさせる原因である歯石を取り除かなければならないのです。
簡単に歯石を取ってというけれど・・・。
歯石にも二種類あります。
歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石の二つです。
歯肉縁上歯石の写真 これは新卒の衛生士でも取れます。
歯肉縁下歯石の写真 これは訓練された衛生士でないと取れません。
当院にて1年以上勉強し、一定以上の技術を習得した者が行います。(歯石を取るには高度な技術が必要だからです。)
基本的に、1時間ほどの十分な時間をかけて丁寧に行います。(患者さんの都合により、30分で行うこともあります。)
歯のクリーニング、歯石除去だけで予約をお取りします。(10分程の短時間で、他の治療の合間にできるような簡単な処置ではないと考えているからです。)
麻酔をせずに行います。(麻酔をして行うと、痛くないため、操作が乱暴になり、逆に歯肉や歯面を必要以上に傷つけたりします。そのため、麻酔がさめた後、とても痛んだりします。麻酔をせずに、歯肉縁下の歯石をとるのは非常に高度な技術を必要とします。)
器械を使わず、手用の器具で行います。(患者さんの様子を見ながら、力の入れ具合をコントロールするためです。そのため麻酔をしなくても、あまり痛くなく行えるのです。器械では微妙な歯面の状態や歯石の存在がわかりにくかったりします。)
次に大切なのは、ご自分のブラッシング、歯磨きです。
「歯磨きならやっているよ!」と思われるでしょう。確かに、歯磨きはみなさんやっていると思います。しかし、効果的な歯のブラッシングができている方はほとんどいません。
松木歯科医院ではつまようじ法という磨き方を進めています。
歯に物が挟まったとき、食後につまようじを使って歯の間を掃除したりすると思います。歯肉と歯間部のブラッシングを効率よくできる「つまようじ法」は、まさにつまようじの感覚 (この方法を考案したのは、岡山大学予防歯科の渡邊達夫教授です) 。
これは、特製の歯ブラシを用いて、歯ブラシの毛先をつまようじを使う要領で歯と歯の間のプラークをすみずみまで除去する磨き方です。それと同時に、歯茎のマッサージをすることで、歯肉炎・歯周炎が改善されるというものです。従来の歯ブラシでは入りにくい歯間部にも毛先が入り、歯茎を適度に刺激し、活性化して抵抗力を強める点が注目されています。
株式会社ピー・エム・ジェー http://www.pmjv7.co.jp
細菌を観察するときには顕微鏡を使いますが、細菌は無色透明なので、普通の顕微鏡では見ることができません。位相差顕微鏡は、無色透明な細菌のコントラスト(明暗)を強くして、ハッキリと見えるように特殊な加工が去られている顕微鏡です。
松木歯科医院では、この位相差顕微鏡を使って患者さんのお口の中の細菌を見てもらいます。患者さんの歯の表面から、ほんの少しだけ汚れを採取して、この位相差顕微鏡で見てもらいます。虫歯も歯周病も最初のうちは自覚症状がほとんどないので、「まあ、放っておいても大丈夫だろう」と考えている患者さんも多いのですが、位相差顕微鏡を見ることで、百聞は一見に如かずで、お口の健康に対する認識が変わられる方もいらっしゃいます。特に、いくら歯を磨く必要性を説いても理解してくれないお子様にはとても効果があります(残念ながら一時的ですが・・・)。
位相差顕微鏡で細菌の状態を見ることで、これから歯周病になりやすい方なのかどうかが推測できます。